(今回お世話になった山陽電鉄5000系<梅田駅>)
さんよう5000系
実 際 の 運 転 か ら 解 析 す る
TS阪神(直通特急)運転術

 

1998年8月9日早朝、私はオフ会に出席するために大阪入りした。そして集合時間までの間、阪神電鉄の直通特急に乗車し、その運転方法をじっくりと観察した。ここでは、その運転法をレポートしてみたい。

(今回のレポートに当たっては、Candyホームページ主催の広域オフスタッフおよび参加者の方のご協力を得ました)

 

TS名鉄に引き続き、今回の取材もあいにくの雨。すっかり雨男が定着してしまった。前面展望の写真が撮れるかが心配なまま、阪神の梅田駅に降り立った。

うめだ早朝の梅田駅(左写真)は人影もまばら。開催中の高校野球が雨で試合を見合わせていると、繰り返しお詫びのアナウンスが流れるだけである。

Tふらふらとホームを散策すると、さっそく「T」標(右写真)を発見。画面上で見ていた阪神電鉄がいま目の前にあることを実感した。

お目当てはもちろんTS阪神で登場する9000系電車。しかし2本ほど電車を見送ったが9000系は来ずじまい。あまり時間も無いので次に来た山陽5000系(一番上の写真)にて運転法を見学することとした。

先頭車に乗り込むと、地下駅にもかかわらず中央の幕が下りてなく、見学には絶好のコンディション。程なく運転士も乗り込み発車となった。

5500系はワンハンドル。マスコンを手前に引き電車を動かす。しかし程なく30キロ制限のためにマスコンを戻す。制限はぎりぎりの速度では走らず、45キロ制限の時は40キロ、80キロ制限の時は70キロと、やや控えめの速度で運行していた。

地下駅、福島を通過したら80キロまで加速。地上に出るため上り坂になるがそのまま惰行して、野田を通過した。野田通過後は95キロでノッチオフ。惰性で淀川駅の95制限をパスする。淀川駅を過ぎてもそのまま走り、淀川の鉄橋に90キロくらいで進入。橋に差し掛かったら加速を開始して、100キロへと速度を上げた。姫島千船まではマスコンを動かすこと無く電車は滑るように走る。

千船では通過と同時にノッチをいれ、95キロでオフ。しかし程なくブレーキを入れ、85キロまで減速。杭瀬構内の85キロに備える。結構あわただしい動かし方である。杭瀬の制限を越えたら100キロまで加速。大物駅で105キロの制限があるものの、全く関係なく通り過ぎる。大物を通過すると、左手に尼崎車庫が見えてくる。

そして難所尼崎。駅通過直後にポイント制限60がかかり、実際はどこでブレーキをかけるのか注目されたが、駅手前の場内信号通過くらいからB4で減速した。思ったより粘ってブレーキをかけているな、という印象である。また制限速度は60であるが、実際には55キロくらいまでたっぷり落としていた。

尼崎通過後、ポイントをすべて渡りきるとはじけるように100キロまで加速。そのまま出屋敷尼崎センタープールまで突っ走る。プールを過ぎたら、競艇場に見とれる間も無しに75キロまで減速。坂を下り80キロの制限を通過する。武庫川もそのまま通過。武庫川の80制限が終わって、ようやく95キロまで加速した。しかしそれも束の間、次の鳴尾を通過した直後に減速をする。実は私が乗った休日の直通特急は、甲子園左写真)に停車するのだ。トレシムとはシチュエーションが違うが、特急も65キロの制限を受けるし、急行停車の参考になるので、レポートはこのまま続ける。

減速信号が出ると、運転士はまず65キロまで減速して解除する。そして注意信号を確認して、軽く起立してすぐ着席、45キロまで減速、再びブレーキ解除する。阪神電車では、制限信号が出ると起立して確認するのだ。ホーム端は40キロくらいで通過。ブレーキを4-3-2の間で調節しながら、最後に軽く「0」に入れ停車した。停車確認後は、ブレーキをふたたび強く入れ直している。転動防止のためだろう。

甲子園出発後は某大手スーパーを左手に見ながら65制限を通過。解除後は100キロで加速し、久寿川今津を通過する。ここからはトレシムの画面で左手に見える高架線の上を走る。下り線のみ線路が切り替わっているのだ。トレシムで見慣れた風景を眼下に見下ろしながら、西宮東口を通過。減速、注意信号(当然起立)とその都度減速しながら、下り線のみ高架になった、西宮に到着である。

西宮からは段階的に速度が解除されていく。制限を守りながら65・70・80と順次加速。香枦園を通過。さらに100キロまで加速し、トレシムと同じ線路に戻ると打出である。打出の次は停車駅芦屋。感じとしては、S標が見えたら減速、といったふうだが、トレシムではたぶん間に合わないだろう。ホームの端は40キロくらいで進入。ここでもブレーキを5以上に入れることはなかった。

御影駅上りホームからA標と下りホームを望む芦屋からは最高速105キロの旅。芦屋発車後フル加速で105キロへ。深江通過後、青木進入手前でふたたびマスコンを投入し105キロを維持する。しかしこの高速運転は残念ながら長くは続かない。青木通過後の上り坂は惰性でそのまま進み、速度を徐々に殺していく。魚崎の駅進入時には80キロくらいまで速度が落ち、そこでブレーキをかける。65キロまで減速した頃には、下り坂と共に70キロの速度制限にさしかかった。坂を下り、ふたたび上る間はマスコンを動かすこともなく、停車駅御影右写真)進入手前で30キロくらいに減速、一旦ブレーキを解除し、A点通過後ふたたびブレーキをかけて停車した。

御影からは残念ながら地下区間に入るため乗務員室扉窓に幕が下ろされ、運転台の様子をうかがうことは出来なくなった。以降は運転台右後方からの前方展望によるレポートとなる。

石屋川車庫御影出発後はしばらくゆっくりと走る。トレシムではうっかり速度オーバーの多い制限35キロ区間を通過しているのだろう。勾配が上りはじめた頃から加速を開始し、石屋川を通過。程なく、高架式車庫、石屋川車庫が見えてくる(写真左)。車庫が左に流れ去っていくと、次は新在家だ。この区間は、ずっと直線が続き、電車もブレーキをかけることなく走っていく。大石西灘はあっという間だ。

ガクン、とブレーキがかかったかと思うと、トレシムでも見慣れた白いコンクリートのガードが目の前に迫っていた。これをくぐると、90制限と共に岩屋を通過だ。ちなみにゲームではここは警笛吹鳴区間だが、この列車では鳴らさなかった。今回の取材では、ここに限らず全体的に警笛を鳴らす場面は少なかった。

三宮停車位置岩屋からは地下区間。2回目の75制限標が見え始めた頃から減速。減速が終わる頃には春日野道の駅の明かりが見えてきた。春日野道は日本で一番ホームの幅が狭いといわれている駅。トレシムではけたたましい反響音と警報音が鳴り響くが、実際には列車内からはさほどうるさいとは思わなかった。ちょっとトレシムでの表現の方がオーバーのようだ。駅通過後は、再加速もそこそこに次の停車駅、三宮写真右:6両停車位置)に到着である。ホームでは当然ながらトレシム内と同じ到着ミュージックと発車ミュージックが流れてきた。

高速神戸同様に地下駅、元町に停車する。乗客はここでほとんど下車し、乗客はまばらになった。そして最後の区間へと臨む。西元町まではゆっくりと進む。西元町を通過後はさらにゆっくりと惰行し、終点高速神戸写真左)に到着。トレシムではここが終着。実際の乗務員も、ここで阪神の運転士から山陽電鉄の運転士へと交代する。そして電車はさらに姫路まで進む・・・(トレシムで先に進めないのが残念!)。

 

今回の取材も、実際に見ないと分からない点が見つかった。私の攻略では、一度かけたブレーキは停車まで解除しないのを原則としているが、阪神電車では停車までの時間の短縮のためであろう、比較的頻繁なブレーキ「解除」動作が見られた。特に減速信号、注意信号の現示される主要駅では、必ずといっていいほど減速−解除−減速−解除−減速という一連の流れがあった。リアルな運転を目指す方であれば、ぜひトレシムでも再現していただきたい。

雨は残念だったが、本当にいい乗車体験となった。後ろからの視線に耐えていただいた運転士さんにはあつく御礼申し上げると共に、みなさんも関西方面へ行かれた際にはぜひ乗車をお勧めしたい。

 

おまけギャラリー

阪神御影駅。震災で大きな被害を受けた地区であるが、いまではその面影もなく、静かな朝を迎えていた。

阪神電車の運転の風景(5500系で撮影)。さあ、ここはどこの区間でしょう?

 

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