2008年2月 5日
縁
51年目の越冬・熊電上熊本線2008(4)
池田駅は、熊本市街中心地よりわずか3キロにある、山間の静かな住宅街である。
すぐそばの台地の上を走る主要道からの「死角」で、川に沿って走る鉄道・国道からも離れていることが、この土地に奇跡的な静けさをもたらしている。
この駅も、例外なく時間が止まっている。
この駅で、時計の振り子のように行き来を繰り返す青ガエルを待ち構えていると、「愛好家の方でいらっしゃいますか」とご婦人が声をかけてこられた。そして「この電車、東京を走っていたのでしょう」と。
ええ、そうです。と答えると、なんでも叔母様が東京にお住まいだったとのことで、この電車のことを良く話していたとのこと。
「写真を送ってあげたいのだけど、私は下手でねえ」と笑いながら、ご婦人は列車へ乗った。
今から思えば、気を利かせてこの写真お送りしますよ、と言えば良かった。
私にとってはたくさんの中の一枚だが、彼女らにとっては、特別な一枚になりえたのだから。
撮影データ:α700+70-200mmF2.8