« タイムスリップ!? | メイン | 安全の確保は輸送の生命である »
2007年03月13日
猶予は失われた

2006.9.11 高知空港
α-7DIGITAL 24-135mmF3.5-5.6
高知空港はQ400が頻繁に離発着し、まさに主役といえる空港である。
その高知で、ANA1306便(DHC-8-Q400、JA849A)は着陸の際前輪の脚下げが不可能となり、最終的には緊急着陸することとなった。一時はテレビ各社が生中継すると言う「パニックショー」の様相を呈したが、クルー・乗客双方の平静とした対応で着陸は完全に遂行された。
各社報道の中には、機長の着陸をことさら賞賛する向きもある.しかしパイロットとしてなすべき仕事を当然のように行ったわけであり、当の本人としてもとても英雄気分にはなれないだろう。一方で、「私たちの安全が脅かされている」と冒頭から煽った報道を名乗る番組もあったが、見てのとおり安全は確保された。脅かしているのは当の報道である。

2005.11.23 佐賀空港
α-7DIGITAL 100-400mmF4.5-6.7
(写真は当該機JA849A)
2006.1.2福岡空港
SDR-S200
(映像は当該機JA849A)
DHC-8-Q400は、YS-11などの置き換え機として導入された新鋭機だ。
私も昨年11月に搭乗したが、YS-11とは比べ物にならない機内居住性の高さと、鹿児島からあっという間に福岡上空までたどり着ける(YS-11なら45分くらいのところを30分)性能に感心したものだ。
しかし、残念なことにこの機種は導入当初から不具合をいくつか抱えており、比較的頻繁に運行に影響を及ぼしているのは事実だ。このことは、K.Sさんのブログに詳しいし、過去に私のブログでも取り上げている。
実際のところ、メーカ、キャリア、そして行政までが情報を共有し、この機が抱える問題に取り組んできた。しかしながらそれは実を結ばず、むしろマイナスの結果として眼前に現れることとなった。このことは、今後この問題の解決に対しメディアをはじめとした社会が猶予を与えなくなることを意味する。
部品の改良や点検だけでトラブルをつぶしきれない現況で猶予がなくなるのは非常に厳しい状態だ。
場合によっては運行体制自体を見直さなくてはいけないだろう。
この機が地方路線に「快速」と「快適」をもたらしたことは事実であるが、安全に対して一般客の信頼を失っては元も子もない。周囲の声に焦り拙速になることは避けてほしいが、Q400の運行に対しひとつの答えを出さなければいけなくなったこともまた確かだ。
私自身としては、今後も最大限の人の手による安全に対する手当てを行いながら飛行を続け、Q400のパフォーマンスが活かせるような改良が進んでいくことを期待している。しかし、乗客の不安を抱えたままいつまでもだらだらと飛ばすようであれば、機材の置き換えを含んだ大胆な戦略変更も仕方がないだろう。Q400キャリアの判断はどうなるだろうか。
コメント
>魑魅魍魎さん
サンダーバードの第1話がどんなものだったかあいにく記憶に残っていないのですが、今回はサンダーバードに救助してもらう必要はなかったようです。日頃から訓練を重ねているクルーの努力に敬意を表したいですね。
>tsmaniaさん
はい、取り上げさせていただきました。
今回の事象は、惨事になったかというと、私はその可能性はかなり低かったと考えています。なぜなら十分にパイロットのフォローでリカバーできる範囲のトラブルだったからです。
ただし、気象条件が悪かったり、さらに複合的な機体の支障が発生すれば、安全へのマージンが失われ危機に陥った可能性はあります。ゆえに、トラブルは避けられないものですが、できる限り発生しないように取り組むことは大切なことです。
ボンバルディアのLRT部門は、かつてのアドトランツを買収したもので、あまり私はイメージが湧かなかったりします。実はこのDHC-8型も原型機はデハビランド社が作っていたもので、もともとの事業がよくわからない会社ではありますね。
(大型の雪上車の会社だったようですが)
投稿者 さいくん : 2007年03月15日 01:05
13日にありました、高知空港でのボンバルディア機Q400胴体着陸トラブル、飛行機好きのさいくんさんだけにこの記事は絶対取り上げると思っていました。やはり、取り上げてくださいましたね。
ところで、このトラブルにおいては乗客に死傷者が出なくて幸いでしたね。その模様はテレビ報道で何度も見ました。すさまじい摩擦熱で機体から火花が出ており、このまま行くと火災発生に至りそうな勢いでしたからね。一歩間違えれば、死傷者多数の大惨事でした。そこまで行く前にも、着陸の衝撃で乗客に怪我人続出の可能性は十分ありましたからね。被害を最小限に食い止めた機長氏の冷静な判断と高い操縦技術はさすがプロとうならされました。さらに、あれだけのトラブルが発生しながら乗客に不安を与えさせない的確な対応もまた見事でした。このようなトラブルが起きたことは実に残念ですが、それへの対応という点では、見事でありました。何はともあれ、徹底した原因究明が望まれるところです。
それはそうと、”ボンバルディア”というと、飛行機メーカーというよりLRT車両のメーカーというイメージが強いのは私だけでしょうか? 実際、ヨーロッパ諸国では、シーメンス社、アルストーム社と並ぶ一大LRT車両メーカーに位置づけられており、多くの都市でこの会社製のLRT車両が走っています。
では。
投稿者 tsmania : 2007年03月14日 07:03
サンダーバード(もちろん本物)第1話に同じようなシーンがあります。こっちは爆弾テロによるものですが、あんな大騒ぎは起こしてほしくないですね。
投稿者 魑魅魍魎 : 2007年03月14日 02:10