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2007年2月20日

空飛ぶイルカよ 全国の空を目指せ

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2007.2.12 熊本空港
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地元紙・熊本日日新聞の2月20日付け報道によると、天草エアラインに対し熊本県と地元3市町から整備費等として6,300万円の助成が行われるらしい。

現在、天草エアラインは2億円以上の累積損失を抱えている。経営状況的にも先行きに楽観視できる材料はなく、助成は地域公共交通機関としての公共性、特殊性、そして航空運送事業として必要な安全性の確保から考えれば、適切な判断ではないかと考える。

しかし、今後のことを考えたとき、県や地元自治体、そして住民は天草エアラインの今後をどう考えているのかが気になる。先に述べたとおり、地域コミュータである天草エアライン、今後経営状況がプラスになるような外的要因はあまりない。過疎化、燃料高騰、新幹線や熊本天草幹線道路など代替交通の整備を考えると、むしろマイナス要因の方が多いのだ。

とすると、今後このような助成がたびたび必要となることは避けられない。残念ながら、日本では地域交通を住民の共通公共財として維持していこうというコンセンサスは確立されていない。ましてや、業務的な理由でもなければ1年に数回でも利用すればいい方の航空機であればなおさらである。

県や地元自治体が、もし天草空港を維持する理由としての定期航空路として天草エアラインを運営しているだけなら、傷の浅い内に撤退した方が良いのではないかと考える。確かに、責任を伴う判断というのが行政的には難しいことは想像に難くないのだが、面子のためだけにお金を使うのであればそれはもったいない限りだ。枕崎空港や大分県央空港のように、チャーター機や自家用機、農業用飛行機の拠点として「本当に必要な人だけが利用する」最小限の態勢にして、空港もエアラインも最小限の維持費でやればよい。

逆に本当に天草エアラインを地域のコミュータとして根付かせたいなら、公共交通として維持できるだけの体力と実力を着実に身につけていく方向性は見いだせないものだろうか。整備や訓練、故障の度に運休する現行の体制はあまりにも不十分だ。昨年度は、重整備のため10日間以上も運休し、減収の大きな要因となった。私は経営に関しては知識が浅いが、複数の航空機を運用しないと効率的な輸送が出来ないことは容易に推測できる。航空機の購入は容易なことではないし、運用するための人件費も大きくアップするだろうが、パフォーマンスを発揮できるだけの投資をせずにただ漫然と現状維持をしておくだけでは、将来的な展望は描けないまま終わってしまうし、今後も投入されるであろう公的資金の効果も薄れてしまうというものだ。

さらに言えば、天草エアラインは天草空港と熊本空港にこだわるべきではないとも考える。天草空港は、ベース空港としては設備、利用者数ともに心許ない。熊本空港は九州の中心にあるがゆえに九州島内の移動が他の公共交通で済み、意外にコミュータ運航に適した就航可能地が少ない。

私はむしろ、福岡空港からの就航を考慮してはと考える。福岡空港はすでに就航済みのため、カウンターやグランド業務に関してJALの協力態勢がある。過去に中日本エアラインの米子線、壱岐国際航空の壱岐線など、成功不成功はあれどコミュータの就航実績があり、A-net、JACなど大手系列のコミュータ担当会社も多くの地方路線を就航させている。
新規に路線開拓するのか、既存航空会社との提携で既存路線の振り替えを受けるのか、課題はそれぞれあるが、天草や熊本よりは遙かに多くの選択肢がある。

熊本県のエアラインが他県から翼を広げることに疑問が発生するかもしれない。しかし鹿児島県、奄美郡市が40%出資するJACは、福岡-徳島などベースの鹿児島とは直接関わらない路線も運航しており、中には大阪-松本などという路線もある。「出稼ぎ」をすることで地元路線が維持されるのであれば、それはそれで喜ばしいことではないだろうか。

素人考えの安易な思いではあろうが、空飛ぶイルカがこれからも元気に熊本の空を泳げるよう、あえて提案をしてみたい。


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