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2005年8月16日

ヘリオス航空機事故

国内の「トラブル」騒ぎに比し、海外の航空機事故に関する扱いは非常に小さいが、きわめて重大な事故が発生している。

キプロスの新興航空会社「ヘリオス航空(ZU)」機の事故である。
ZU522便は、キプロス・ラルナカ空港からギリシア・アテネ空港へ向けて飛行中、何らかの要因でギリシア国内で墜落、乗員乗客121人全員が死亡した。

ZU522便はB737-300型で運航されていた。この機材は日本国内の航空会社では運行されたことがないが、同系列ではB737-400、-500型がエアーニッポン・日本トランスオーシャン航空で運航されている。B737シリーズは1967年にデビューし、全世界で40年近く、5,000機以上も販売されている大ベストセラー機で、この-300型は1984年に計器やエンジンを初期型より新しいタイプとした「新世代」タイプと呼ばれるものだ(現在はさらに改良型の「次世代」タイプが生産されている)。airsafe.com
http://www.airsafe.com/
によれば、飛行100万回あたりの死亡事故発生率は0.22(B737-300、400、500型の合計)と、数値の上では信頼性も高い機体である。

しかしながら、今回の事故は通常の事故では見られない奇妙な事故の様相を呈している。

海外、国内メディアの報道をまとめてみると、

 ・テロの可能性は低い
 ・事故機からは事故直前に空調トラブルの報告、空調・与圧の不具合?
 ・遺体の大半が凍結している
 ・空軍機から、パイロットが倒れている姿が目撃されている
 ・事故発生後も、かなり長い間自動操縦で飛行していた様子
 ・乗客?が操縦室で操縦?を試みていた

とある。

現代の航空機は、高高度を飛ぶために客室内が地上と同じように与圧されている。与圧は推力を得るためにエンジンから取り込んだ空気の一部を圧縮して使用しており、これが故障すると乗客は地上からエベレスト以上の高さの山の上に上がったかのような状況に陥り、酸素不足、低温に晒される危険がある。

このような状態になった場合、一般的にはコクピットの計器に警告が発せられる。その場合、パイロットは緊急降下の手順を取り、客室に危害が及ばない高度まで降下する。7月23日に発生したJALのイレギュラー運航
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050724-00000003-mai-soci
などが、記憶に新しい。

しかし、今回の事故においては、この手順が踏まれた形跡がない。パイロットが対応できないまま意識を失うような状況になるというのは、機体に損傷が発生するなど急激な気圧低下等があったと考えるのが普通だが、自動操縦が維持されていたのであれば、大きな損傷があったとも考えにくい。欧州の航空専門家が「気圧低下原因」説に異議を唱え、他の要因との複合原因ではないかと投げかけているのも、そういったことがあるからだろう。

操縦席に乗客がいた、ということに関してはますます不思議で、パイロットの生命に危害が及んでいるかのような状況で、乗客が操縦席に入り込み、何らかの処置が出来るようなことが可能だったのだろうか、と考える。

原因究明は今後の調査を待たねばならないが、トラブル発生後から墜落までの経過時間によってはボイスレコーダーに「肝心の部分」が記録されていない可能性がある。また、フライトレコーダーにも客室与圧の記録はないので、事故の直接原因に触れることは困難かもしれない。

謎多き墜落。しかし、事故の多くは私たちの理解を超える部分で発生する。
多くの命の犠牲から、私たちは少しでも多くのことを学ばなければならない。
続報に注目していきたい。


コメント (2)

コメント

ENG2発停止ですか・・・火山灰の影響とか特殊な要因を除けば、確率的にはかなり特殊なケースですが、いったい何が起こったのでしょうか?

悲しいニュースが続きますが、目をそむけることなく、真摯に空を憶っていきたいですね。

投稿者 さいくん@1088M : 2005年8月18日 01:25

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050816-00000417-yom-int
↑こちらはベネズエラでの事故。墜落したのはMD-82型の模様。今のところ2発ともにエンジントラブルとか。
こちらも続報に注目でしょうか。

投稿者 K.S : 2005年8月17日 22:05

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