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SF34のインシデント

復帰早々重い話題だが好きなんだからしょうがない。(笑
さて昨年12月日本エアコミューターのサーブ340B型機が出雲空港で起こした重大インシデントについて、昨日辺りに追加の報道がなされた。事故調が経過報告を発表したようだ。なぜこれが気になるか。あくまでもFlight Simulatorでの話でお遊びではあるが、SAAB340B型機を操縦しているからだ。

各社の新聞報道を見てみたが何気に詳しかったのは地元紙である「山陰中央新報」だった。(笑)といっても大元は事故調の経過報告なのでそちらを見てみることにした。

事故調の経過報告には次のようなことが書いてある。


3章より抜粋
(1) 機体のブレーキ系統及びステアリング系統の機能には、本重大インシデントに関連するような不具合は発見されなかった。
(2) DFDR記録によると、滑走路への接地直前に左プロペラのみ回転速度が低下しており、エンジンの運転状態の変化から見ると、左プロペラはフェザー状態になったものと推定される。このことについては、滑走路への接地直前における左右のパワーレバーの角度は同様に増減しているものの、左パワーレバーが右パワーレバーに比べて約10度後退した位置で増減しており、この増減の過程で一時的にオートコースン・システムが作動する条件が満たされたことによるものと推定される。
(注)SAAB340B型には、離陸時や着陸復行時に片側のエンジンが不作動になった場合に、パイロットの操作を軽減するために、その不作動側のプロペラをフェザー状態にするオートコースン・システムが採用されている。
(3) 接地後、左右のパワーレバーはグラウンド・アイドル位置になり、更に数回にわたってリバースとなる位置まで後退していた。しかしながら、左プロペラはオートコースン・システムが解除される条件が満たされなかったためフェザー状態を保ち、右プロペラと右エンジンのみが、パワーレバーの動きに対応してディスク状態又はリバース状態になったために、機首が右方向に偏向する傾向を助長したものと推定される。


上記を読んで分かる人はそう多くないかも知れないが、FFS SAAB340B型機(シミュレータね)を操縦している人なら、ある程度はおわかり頂けるであろう。だってシミュレータにこの機能が入っているんですから。(笑)
まだ詳細な調査がこれから行われるのだろうが、なぜパワーレバーの位置が異なっていたのか、あとはAuto coarsenに問題がなかったあたりが鍵になりそうな気がする。事故調の主要調査項目としてもそれに近い項目が挙げられている。

ちなみにAuto coarsenシステムについてはここが詳しい。Auto coarsenとは上の注意書きにも書いてあるが、離着陸などの際に有効にされ、プロペラのブレード角を自動的に減らすシステムである。どういうときにそれが働くかというと片方のエンジンにトラブルが発生し、出力が得られなくなった際に、そのエンジンに接続されているプロペラのブレード角を減らし結果として抵抗力を減らすのである。プロペラが自ら力を生み出していないときは、プロペラは風車となり抵抗力になってしまう。それを避けるためにプロペラのブレード角を調整し、抵抗力を減らすのである。電車だと回生ブレーキの逆に近いだろう。実際にお目にかかったことはないのだが、恐らくこの場合、プロペラはほとんど回らないのだろう。

このAuto coarsen、発動条件が実にややこしい。まずAuto coarsenの動作モードが2種類。(Low Power, High Power)またそれぞれのモードによってそれが発動する条件が微妙に異なる。この発動条件にはパワーレバーの位置、エンジンのトルク、エンジントルクの差、スターター・発電機の回転数、エンジンの回転数、プロペラギアボックスの油圧が含まれる。また解除条件にも同じような条件が含まれている。

今回のケースでAuto coarsenが故障していておかしくなっていたということがなければ、この条件マトリックスのどこかに入り込むのだろう。

国交省航空局は早速運行者に対して文書を発行しているようだ。故障はある程度しょうがない部分もあるだろうが、人為的な原因だけはある程度除去して欲しい。最終報告書が今から待ち遠しい。

なおJACにとってTCAS/TCAD反応以外で初の重大インシデントになってしまった。そもそも今でも無事故な会社である。(もちろんここでいう事故の定義は航空法第76条によるもの。)個人的にはぜひとも頑張って欲しいと思っている会社のひとつである。SF34、Q400を安全にそして快適に飛ばしてほしい。

#WJDN FFS SAAB340B + FSPassengers使用者各位>本件要注意。

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